理事長挨拶

Greeting from the Chairman

歴史を受け継ぎ、新たな課題にチャレンジ

Inheriting history and taking on new challenges

吉田 寛 (日本医科大学消化器外科)

吉田 寛 (日本医科大学消化器外科)

日本門脈圧亢進症学会の第七代理事長に就任いたしました吉田寛でございます。
本学会は、1968年 (昭和43年) 井口潔先生が立ち上げられた門脈外科研究会に端を発し、1978年 (昭和53年) に改名された門脈圧亢進症研究会と、1986年 (昭和61年) 発足の食道静脈瘤硬化療法研究会とが合同し、両研究会の代表世話人を務められていた出月康夫先生を初代理事長として1994年 (平成6年) に日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会が誕生しました。
そして第二代二川俊二理事長3年目の1999年 (平成11年) に現在の日本門脈圧亢進症学会という名称になりました。同年の第6回総会当番会長が後の第三代沖田極理事長であり、在任中は学会運営の基盤安定化に大変な時間と労力を注がれました。そして私の師であります第四代田尻孝理事長は学会の枢軸となる技術認定制度(手術・内視鏡・IVR)を発足され、門脈圧亢進症取扱い規約の内視鏡検査所見を英文化し海外に発信され、地区代表世話人による各地区の研究会も開始されました。地固め療法・CA-EISで内視鏡治療を確立された第五代小原勝敏理事長は時代のニーズを汲み取る医療安全委員会、データベース検討委員会を設置されました。第六代國分茂博理事長は、国際交流委員会を新設され、門脈圧亢進症取扱い規約を更新(第4版)され、日本肝臓学会と合同で門脈圧亢進症の診療ガイド2022を作成され、さらにBRTOの保険収載にご尽力されました。
このような歴史を受け継いで、今後の本学会の発展のために行うべき課題は多数あります。

  1. 国際的に誇れる本邦の門脈圧亢進症研究を今以上に海外に発信
  2. 若手医師・女性医師の会員数の増加と育成
  3. 肝臓、内視鏡、IVR、外科、移植等の関連学会との今以上の交流

その他にTIPS等の保険収載、ホームページの刷新等々、まず一歩を進めなくてはならない要件が山積みしております。
本学会は世界に一つしかない「門脈圧亢進症:portal hypertension」に特化した学会です。このSpecificityに恥じない、Intensiveで独創的な診断・治療法への斬新な研究が本学会から輩出されることを期待しております。そのためには理事、評議員のみならず全会員の力を相互に繋ぎあい、これを活性化させる関連事業と共に最終的に本邦の医療全体に貢献していくことが役割と考えます。皆様のご要望・アイデアを積極的に取り入れて、全会員が作り上げる開かれた学会にしていきますので、ご連絡いただければと思います。
もとより本学会の更なる発展のために微力ではありますが全力を尽くして参る所存ではございますが、本学会の発展には役員はじめ会員諸氏のご協力なくしては叶うことはできません。先生方には今後ともご協力ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。